【医師監修】インフルエンザが重症化するリスクも! 長いマスク生活で増えている頻呼吸とは?

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マスク生活で呼吸が浅くなっているかも?!

コロナ禍で3年以上続いたマスク生活のために、私たちの呼吸機能に危機が迫っていると言われています。口呼吸となり呼吸が浅く、呼吸回数の多い「頻呼吸(ひんこきゅう)」の人が増えていて、それによりインフルエンザなども重症化する危険性が増えているそうです。今回はこの頻呼吸の原因と危険性を探ってみました。

20種類以上の呼吸筋群が弱くなっている危険性

呼吸器科の医師によると、コロナ禍でマスク生活を強いられたことで、息苦しさを感じることから、口呼吸になり、呼吸が浅くなって軽度の頻呼吸になっている人が多いと思われるとのこと。また、感染症を防ぐためにスパイロメーターという呼吸器検査が長い期間避けられる傾向もありました。それによって呼吸器疾患の症状を見落としなどがあることも考えられます。
肺という臓器は、自力では呼吸することができず、横隔膜など20種類以上の呼吸筋群が連携して動き呼吸をしています。普段から浅い呼吸をしていると、呼吸筋群が弱まり、深い呼吸ができなくなるという負のスパイラルに陥ってしまいます。
頻呼吸になっていないかチェックしてみましょう!

息切れや動悸がする人は要注意!

では、頻呼吸とはどのくらいの呼吸を言うのでしょうか?1分間に15回前後の呼吸は正常で、1分間に20回以上は軽度の頻呼吸、25回以上は頻呼吸です。マスクを長時間つけている人は、無意識のうちに呼吸が浅くなり、頻呼吸気味になっていることがあります。呼吸器系の異常の発見のため、下記もチェックしてみてください。

日常生活のチェック

□ タバコ1日20年以上吸っている・吸っていた
□ よく咳払いをする
□ 痰が絡んで一度で出しきれない
□ 食事中むせることがある
□ 同世代の人より歩くのが遅い・息切れがする
□ 以前に比べて声がハスキーになった

上記に4つ以上当てはまる場合は要注意です。

重症化リスクが高くなる頻呼吸の危険性

口呼吸は鼻腔のフィルター機能を得ず外気を吸入するので、感染症に罹りやすくなると考えられています。また、頻呼吸は、呼吸が浅いため息切れや頭痛、疲労などを引き起こすだけでなく、背景に呼吸器疾患が隠れていることもあり、呼吸筋郡の低下なども相まって放っておくと風邪やインフルエンザ、肺炎などにかかりやすく、場合によっては重症化しやすいリスクがあると言われています。ここ数年、インフルエンザが流行していないため全体的に免疫が落ちていて、今年はインフルエンザが大流行しやすいのではないかと考えられています。
その他、頻呼吸を伴う疾患で注意が必要なのは、COPD(慢性閉塞性肺疾患)と間質性肺炎です。COPDは、タバコなどの有害物質の吸入が原因で、肺の組織の一部が壊れたり、気管支が慢性的に炎症を起こしたりします。間質性肺炎は、肺胞の壁に炎症や損傷が起こって硬くなり、酸素を取り込みにくくなった状態です。
特に、これから寒くなる地域では風邪を引きやすく、病気を重症化させるリスクもあるので、予防を始めとしたできるだけ早めの対策が必要です。

頻呼吸改善!呼吸機能を回復させるセルフケア

家で簡単にできる頻呼吸を改善させるトレーニングを紹介します。頑張ってやるのではなく、隙間時間などに2〜3回やるだけでOKです。

① 横隔膜呼吸

軽く口から息を吐き、鼻から1〜2秒で息を吸い、口から10秒かけてゆっくり吐く
・猫背、前かがみにならないように肩を開く
・お腹に力を入れて、息を吐き切る
・しっかり吐き切れば横隔膜が上がり、新鮮な空気を取り入れられる
・横隔膜が弱いと空気を取り入れなくて頻呼吸になり、疲れやこりの原因に

② 肩甲骨の上げ下げストレッチ

鼻で息を吸いながら肩を上げ、口で吐きながらストンと落とす
・上げる時は、肩を前に出さず肩甲骨を寄せるイメージ
・肩甲骨のストレッチで呼吸筋群を柔らかくすることで、より深く息ができる

肺機能向上が期待できる食べ物

トレーニング以外にも、肺機能の向上が期待できるのは以下のような食べ物です。

リンゴ🍎: リンゴに含まれるポリフェノールは抗酸化作用があり、肺の炎症を抑え呼吸器疾患に対する健康効果が期待できます。
トマト🍅:  トマトに含まれるリコピンにも抗酸化作用があり、肺の炎症を抑える効果があると言われています。
ブロッコリー🥦:  ブロッコリーに含まれるスルフォラファンは、抗酸化作用と有害物質を排除するデトックス作用を有すると言われています。

呼吸器疾患に対する有効性の程度はまだ研究中ではありますが、毎日の栄養バランスの良い食事の中に、取り込んでみては如何でしょうか。
肺機能に不安がある方、息苦しさや動悸を感じる方は、ヨクミルで呼吸器内科医にご相談ください。

参考
CBC Web 「マスク生活で「頻呼吸」に!?…インフルエンザも重症化する!?現代人を襲う「頻呼吸」の恐怖」
一般社団法人日本呼吸器学会 呼吸器Q&A
大正製薬 マスクは「口呼吸」にご用心!かぜなどの感染症にかかりやすくなるかも!?

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監修者プロフィール
相談科:
  • 内科
  • 総合診療科
専門領域:
  • 内科
  • 呼吸器内科
  • 総合診療科
上桝うえます きよし先生
アメリカ滞在中の内科全般と呼吸器内科の専門医です。呼吸困難や咳嗽、アレルギー症状など大気状態の変化に伴う不安、病院への受診を迷っている方、診断・治療内容についてセカンドオピニオン的に意見を聞きたい方など、気軽に相談してください。
著者アイコン 著者プロフィール
中野なかの 紗瑛さえ
文具メーカーでプロダクトマネージャーを担当後、システム開発販売会社で販売促進やイベント企画を経験。その後、フリーのプランナー・コピーライターとして、商品企画と販売促進全般、店舗、経営者、政治家、医者などの取材、ライティングを数多く手がける。2021年より、YOKUMIRU株式会社のブランディングマネージャーに就任。医療、健康、美容、飲食系のライティングを得意としている。
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