目次
はじめに
女性の生理(月経)は、月経周期やホルモンバランスの変化など、身体的および精神的な面で多くの変化を伴います。これらの変化は、日常生活に影響を及ぼすことも少なくありません。本コラムでは、月経のしくみと女性が抱える月経に関する悩みについて詳しく解説します。
月経の基礎知識
月経周期の4フェーズ
月経は、通常28日から38日周期で繰り返される女性特有の生理現象です。以下の4フェーズに分けられます。
月経期 | 子宮内膜が剥がれ落ち、月経として排出される期間。 |
卵胞期 | 新たな卵胞(卵子が入った袋)が育つ時期で、エストロゲン(卵胞ホルモン)の分泌が増加します。 |
排卵期 | 成熟した卵胞から卵子が放出される時期。 |
黄体期 | 排卵後、プロゲステロン(黄体ホルモン)の分泌が増え、子宮内膜が厚くなります。 |
ホルモンの役割と月経
エストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)は、女性の月経周期を調整する主要なホルモンです。これらのホルモンのバランスが崩れると、月経不順や月経前症候群(PMS)などの問題が発生することがあります。プロゲステロンは、セロトニンやドパミン、ノルアドレナリンなど、感情を調整する脳の神経伝達物質にも作用しています。プロゲステロンの増減によって神経が過敏になり、心の変化が起こることがあります。また、これらの神経伝達物質は、ストレスや生活リズムと関係するため、生活習慣が症状に影響を与えると考えられています。
月経(生理)に関する一般的な悩み
月経痛(生理痛)
月経痛は、多くの女性が経験する悩みの一つです。痛みの重さ、程度は人それぞれですが、日常生活に支障をきたすほどの激しい痛みを感じる人もいます。月経痛の原因には、プロスタグランジンの過剰分泌が関与しています。
月経痛のセルフケア
- カイロ
- 足湯・半身浴
- 運動・ストレッチ
使い捨てカイロなどお腹や腰を温めれば、血液の循環が良くなり痛みが和らぎます。また、足湯や半身浴などで下半身の血液循環を良くすることも月経痛に効果的です。骨盤内の血液の鬱滞の改善効果には運動やストレッチが有効です。
月経不順
月経周期は通常30日前後のことが多いですが、月経不順は、月経周期が一定しない状態を指します。ストレス、過度の運動、体重の急激な変化などでホルモンバランスが乱れることが原因となることがあります。また、甲状腺ホルモン異常や、排卵がうまくいかない時なども月経不順になることがあります。これらは採血でわかることもあれば超音波検査でわかることもあります。
月経前症候群(PMS)
月経前症候群(PMS)は、月経前(10日ほど)に現れる身体的および精神的な不調です。症状としては、腹痛、下痢・便秘、頭痛、むくみ、イライラ、憂鬱感などがあります。これらの症状は、月経が始まると軽減することが多いですが、一部の女性にとっては非常に困難なものとなります。現在は、月経がある女性の30〜40%ほどに月経前症候群があると推定されていますが、中には、社会生活が困難になるほどつらい症状を起こしている人もいます。
月経前症候群(PMS)の主な症状
心理的症状
- 抑うつ気分
- 怒りの爆発
- イライラや不安感
- 混乱した気分 など
身体的症状
- 乳房の痛み・張り
- お腹の張り
- 下痢・便秘などの消化器症状
- 関節痛・筋肉痛
- 頭痛・体重増加・手足のむくみ など
ヨクミルの相談事例の紹介
海外オンライン医療相談YOKUMIRUを利用して、生理に関するお悩みを相談した会員の声を紹介します。オンラインなので、自宅などから気軽に、日本人医師に相談できます。クリックすると具体的な相談事例が見られますので、参考にしてください。
おわりに
生理の基礎として、しくみや悩みについてまとめました。【医師監修】月経の悩みの対処と健康ガイドでは、悩みの対処法や健康管理について紹介しています。ぜひ参考にしてください。
女性の生理に関する悩みは多岐にわたりますが、正しい知識と適切な対策を講じることで、症状を軽減し、健康的な生活を送ることができます。自分の体を理解し、大切にすることが何よりも重要です。健康管理を怠らず、必要なときには専門医に相談することを心掛けましょう。