【医師監修】中高生の肌悩みNo.1「思春期ニキビ」!正しくケアできていますか?(前編)

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ある化粧品会社が行った、全国の中高生とその母親へのアンケート調査(2019年2月16日〜18日)によると、64.9%の中高生が「ニキビ」に悩んでいると回答しました。そこで今回は、ニキビができる原因、ニキビの種類、大人ニキビとの違いなどについて探ってみました。

なぜ思春期にニキビができやすくなるの?

思春期ニキビとは、10代から20代初めの成長期にホルモンの変化によって発生するニキビのことです。額や鼻など皮脂が多いTゾーンにあらわれやすく、ホルモンバランスが安定してくると自然と治っていきます。思春期は、皮脂の分泌が増加し、毛穴が詰まりやすくなる傾向があります。その結果、ニキビや吹き出物が発生しやすくなるのです。

思春期ニキビができる毛穴が詰まりの原因は、主に2つです。1つは、思春期におけるホルモンの変化です。思春期には、性ホルモンである「テストステロン」の分泌量が増え、皮脂腺を刺激し、皮脂の分泌を増加させる作用があります。この増加した皮脂が毛穴に詰まり、細菌の繁殖や炎症の発生を引き起こして、ニキビや吹き出物の形成につながります。
もう1つは、思春期には皮膚のターンオーバー(新陳代謝)が活発に行われるため、古い角質が毛穴に残りやすくなります。これも毛穴の詰まりを促す要因です。

心や環境の問題も思春期ニキビの原因に!

しかし、思春期ニキビの発生には個人差があり、遺伝的要因や生活習慣、ストレス、食生活なども関与する可能性があります。一般的には、小学校の高学年から中学生頃にでき始め、高校生の頃にピークを迎えます。成長期が終わった20歳前後になると、皮脂の分泌が落ち着いてきて、自然とできなくなるものです。

10代は身体が大きく変化するだけでなく、通学・部活動・受験など、生活も忙しくなる時期で、心もアンバランスになりやすいため悩みも複雑です。ニキビができると視線が気になって前髪を上げられない、鼻や頬など隠せない部分にできると気持ちが落ち込んで勉強や部活に集中できない、といった悩みを抱えている10代は多いと思います。また、思春期にニキビができると劣等感や恥ずかしさから、自分に自信が持てなくて友人との付き合いが消極的になることも・・・。

反抗期などで、親や友人など身近な人にも相談しにくいと感じて、悩みを打ち明けられない人もいれば、ニキビができない人がうらやましくて、イライラをぶつけてしまうこともあります。
したがって、思春期ニキビはホルモンの変化だけでなく、心のバランスや環境の変化など、複数の要因が組み合わさっていると言えます。この悩みを少しでも解消するために、正しい知識を身につけましょう。

ニキビにはどんな種類があるの?

思春期ニキビは、脂っぽい肌にできやすく、季節的には春から夏にかけて増えます。思春期にできたニキビは炎症のある「赤ニキビ」へと進行しやすく、さらに「黄ニキビ」へと悪化して、クレーター状に肌がへこむ「ニキビ跡」になりやすいのが特徴です。このようにニキビは、白・黒・赤・黄の4種類のニキビに分けられます。それぞれ特徴や原因の違いを解説します。

白ニキビ(閉塞性コメドまたはホワイトヘッド)

毛穴の詰まりによって、皮脂や角質が閉塞されたニキビの初期段階です。肌細胞の生まれ変わりである「ターンオーバー」がうまく行われないと、角質が厚くなって毛穴をふさぎ、皮脂が毛穴の外へ出られなくなります。表面が白く見え、毛穴が詰まっているため目立ちますが、炎症がないため赤みや腫れはありません。

黒ニキビ(開塞性コメドまたはブラックヘッド)

白ニキビを放置していると、毛穴の詰まりによって皮脂や角質が酸化し、黒色に変化した状態です。表面が黒く見えますが、白ニキビと同様に炎症や腫れはありません。

赤ニキビ(パプル)

赤く盛り上がった炎症性のニキビで、毛穴の中で皮脂をエサとしてアクネ菌が増殖し、赤みや腫れなど炎症を起こします。触れると痛みを伴うことがあります。これは、毛穴の詰まりによって細菌が増殖し、炎症反応が起こることで形成されます。赤く腫れているため、目立ちやすくなっています。

黄ニキビ

炎症が悪化して、黄色っぽい膿が中に詰まったニキビです。一般的には赤ニキビや白ニキビの進行形態として現れ、細菌感染が進行していることを示すことがあります。

大人ニキビと何が違うの?

 

20歳を過ぎてもニキビに悩んでいる方は多いと思います。大人ニキビは、思春期ニキビと何が違うのでしょう?結論からすると、10代にできる「思春期ニキビ」と20〜30代にできる「大人ニキビ」は、「尋常性ざ瘡(そう)」という同じ皮膚の病気です。しかし、原因や発症部位、ケア方法などに違いがあります。その違いを解説します。

[原因]

思春期ニキビ

成長期に起こる過剰な皮脂の分泌

大人ニキビ

ストレスや睡眠不足からくるホルモンバランスの乱れ
間違ったスキンケアやメイクによる毛穴の詰まり

[発症部位]

思春期ニキビ

Tゾーン(額から鼻の周囲)や頬など、皮脂の多い部分

大人ニキビ

Uゾーン(頬や口周り、フェイスライン)や首など皮脂の少ない部分

[ケア方法]

思春期ニキビ

余分な皮脂や汚れを取り除き、肌を清潔に保つスキンケア
毛穴の詰まりを取り除く角質ケア

大人ニキビ

水分と油分のバランスを意識した正しいスキンケアと角質ケア
食事の偏りや睡眠不足、ストレスなどライフスタイルの見直し

また、無月経が続いていたり、体毛が濃くなったりしている場合には、多嚢胞性卵巣症候群(たのうほうせいらんそうしょうこうぐん)によるホルモン異常があることもありますので、ヨクミルで皮膚科の専門医に相談してください。

では、ニキビを治すにはどのようなことに気をつければよいのでしょうか?
次回の後編では、ニキビを治す8つのポイントと、男子の思春期ニキビについて紹介します!

<参考文献>
美容皮膚科タカミクリニック「思春期ニキビはいつまで続くの?医師が教える原因と予防方法・治し方」
エフエムジー&ミッション株式会社「中学生・高校生のニキビの悩み」に関する調査
トラブルブック「男子高校生におすすめ化粧水19選!思春期ニキビや脂性肌の悩みをケアして綺麗肌に」

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監修者プロフィール
相談科:
  • 耳鼻咽喉科
専門領域:
  • 耳鼻咽喉科
野田のだ 一郎いちろう先生
野田耳鼻咽喉科(兵庫県宝塚市)院長。 福井医科大学(現福井大学医学部)卒業。 海外に赴任した患者さんから海外医療に関する不安を多数聞いて、「インターネット上で相談することで、不安を解消できるのではないか」と思いつき、YOKUMIRUシステムを共同開発した。自身も留学経験があるため、海外在住邦人の不安に寄り添い、親身になって相談に乗ってくれると定評がある。
著者アイコン 著者プロフィール
YOKUMIRU顧運営本部
YUKACO 
現在、健康やスポーツ科学、マーケティングなどを勉強している大学生。体のメカニズムや使い方、効果的なトレーニング方法など、スポーツを中心に健康に関する知識が豊富。最近までカナダに留学していて、カスタマーサービスやマーケティングを学ぶ。趣味はスキューバダイビング。旅行や食べることが大好きで、美味しい店やカフェに詳しい。
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