「検査では異常なし。でも、またお腹が痛いと言っている」 そんな経験はありませんか?
・朝になるとお腹が痛いと言い出す
・学校へ行く時間になるとトイレにこもる
・休日や夜は元気なのに、平日になると不調を訴える

海外生活の中では、言葉や医療制度の違いもあり、「どこまで心配すべきなのか、すぐに病院へ行くべきか」と悩む保護者の方は少なくありません。
実はこのような腹痛は、小学生の約10〜15%が経験するとされる「機能性腹痛」である可能性があります。
決して珍しいものではなく、世界中の小児科で日常的に見られる状態です。
1. 「機能性腹痛」とは?
機能性腹痛とは、血液検査やエコー検査をしても、内臓に炎症や傷などの明らかな異常が見つからないにもかかわらず、お腹の痛みが繰り返し起こる状態を指します。
現在は、国際的な診断基準に基づき、「機能性消化管疾患」の一つとして分類されています。
大切なポイントは、以下の3点です。
・検査数値や画像には映らない
・しかし、本人は「本当に」痛みを感じている
・決して「仮病」や「甘え」ではない
2. クラスに2〜3人はいる?10〜15%という数字
複数の医学的データによると、学童期の子供の約10〜15%にこうした反復性の腹痛が見られると報告されています。
つまり、クラスに2〜3人はいてもおかしくない頻度です。「うちの子だけが弱いのかな?」と自分を責める必要はありません。
海外・日本を問わず、小児科医にとっては「よくあるけれど、丁寧なケアが必要な症状」として知られています。
3. なぜ「異常がないのに」痛くなるのか?
背景には、「腸と脳のコミュニケーションの乱れ」があると考えられています。 腸は「第二の脳」とも呼ばれ、自律神経やストレスの影響を非常に受けやすい臓器です。
・緊張や不安が続く
・環境の変化(転校・引っ越し・言語の違い)
・生活リズムの乱れ
こうした要素が重なると、脳と腸を結ぶ神経が過敏になり、通常なら気にならないような腸の動きを「痛み」として過剰に脳へ伝えてしまうことがあります。
4. 海外生活ならではの影響
海外生活では、子供自身が言葉にできないストレスを抱えていることが少なくありません。
学校での緊張、友人関係、言語の壁、日本とは違う生活リズム…。
本人が「つらい」と自覚していなくても、心が悲鳴をあげる前に、体が「お腹の痛み」というサインを出して守ろうとしていることがあります。

5. 注意すべき「病気のサイン」との見分け方
多くの場合、機能性腹痛は命に関わるものではありません。
しかし、以下のような症状を伴う場合は、内臓の病気(器質的疾患)が隠れている可能性があるため注意が必要です。
・夜中に痛みで目が覚める
・発熱や、体重が減っている(増えない)
・便に血が混じる、または真っ黒な便が出る
・激しい嘔吐を繰り返す
・お腹の決まった場所を、飛び上がるほど痛がる
このような症状がある場合は、「様子を見ていい痛み」ではなく「検査が必要な痛み」として、早めに受診を検討してください。
6. 「心の問題」だけではありません
機能性腹痛は、つい「気のせい」「精神的なもの」と片づけられがちです。
しかし実際には、神経の過敏性や自律神経の乱れという「身体的なメカニズム」がしっかり関わっています。
いわば「心と体の境界線にある症状」であり、根性論で解決するものではありません。
また、機能性腹痛の多くは「便秘」を伴うことがあります。便秘の治療をするだけで腹痛が良くなる子も多いです。

7. 迷ったときは小児科医に相談を
・腹痛が数週間以上続いている
・学校生活に支障が出始めている
・親として、どう接していいか不安が強い
こうした場合は、小児科医に相談することで、「放っておいても大丈夫な痛み」か「治療が必要な痛み」かをはっきりさせることができます。
海外生活では判断に迷うことも多いですが、ヨクミルでは日本の小児科専門医に日本語での相談が可能です。
医師と一緒に状況を整理するだけで、親子ともに気持ちが楽になるケースも多くあります。
まとめ
・機能性腹痛は、小学生の10〜15%が経験するポピュラーな症状。
・検査で異常がなくても痛みは本物。脳と腸の連携ミスが原因。
・「単なる腹痛」か「別の病気」か、見極めのポイントを知ることが大切。
・不安なときは、専門医に相談して親子で安心を確保しましょう。
気になる症状がある方は、ヨクミルでお気軽に相談してください。



