日本では急に暑くなってきて、サンダルなどで素足を出すことも多くなる季節になってきました。爪には指先を保護する役割がありますが、特に足の指には、体重を支え、立つ、歩くなどの動作のバランスを取る役割があります。爪は健康のバロメーターとも言われていますが、気になる足の爪のトラブルや解消法について、皮膚科医の先生に解説してもらいました。
足の爪の主なトラブルと原因
表面が凸凹したり色が変わったり、爪トラブルには様々な症状がありますが、特に悩みの多い代表的なものを紹介します。
爪水虫
爪白癬(つめはくせん)とも呼ばれ、子どもからお年寄りまで年齢、性別に関わらず誰でもかかる爪の病気です。日本人の10人に1人が、爪水虫にかかっているとも言われています。白癬菌というカビの一種に感染することで起こります。爪が白く濁ったり、厚みが増したりするのが主な症状です。痛みや痒みがないので、気づかないうちに症状が進んでいる場合もあります。
原因は、足の水虫から感染すると考えられ、足水虫の約2人に1人が爪水虫にかかっていると言われています。また、家族が水虫にかかっている、糖尿病や免疫力が低下している高齢者、長時間靴を履いて足が蒸れる環境にある人は爪水虫にかかりやすい傾向があります。
陥入爪(かんにゅうそう)
爪の縁が周囲の皮膚に食い込んだ状態をいいます。最初は無症状ですが、次第に痛むようになり陥入した部分が圧迫されると、痛みが激しくなります。患部が赤くなったり、腫れたりすることもあります。足に合わない靴やハイヒールを履くことや、爪を丸く切ること、深爪を繰り返すこと、つま先に圧がかかるスポーツなどで発症したり、悪化したりすることがあります。
巻き爪
爪の端が、内側に巻き込んだ状態に変形する疾患です。足の親指に起こることが多いですが、他の指にも起こる可能性もあります。先の尖ったデザインなどの窮屈な靴を長時間履いたり、外反母趾で親指が内側に曲がったりした状態、運動不足や指に力が入りにくい「浮き指」などで地面からの圧が不足すると、巻き爪になりやすいです。
正しいケアで爪の健康を保ちましょう
毎日のフットケアで清潔に保つ
爪のトラブルの予防のために、足を清潔に保ちましょう。洗う時は強く擦りすぎず、泡立てた石鹸をつけた柔らかいブラシなどで、爪の周りも優しく洗います。お風呂上がりは、乾燥を防ぐためにハンドクリームなどで保湿するのも良いでしょう。温泉やスポーツジムなど複数の人が使用するバスマットから、水虫菌が感染することもありますので、帰宅後は足を洗い通気性の良い状態を保つ習慣をつけると良いでしょう。
正しい爪の切り方で予防しよう
陥入爪と巻き爪は、間違った爪の切り方が原因になっている場合も多いので、正しく爪を切ることで改善・予防をしましょう。足の爪は指に沿って丸く切るのではなく、四角く切ること、深爪しないようにすることがポイントです。
① 指の先端より少し長め(指先より1mm以内)の位置でまっすぐ切る
② 角は少しだけ落とすように爪やすりで整える
③ 足の爪を切るのは、1ヶ月に1度程度が目安
正しい姿勢で歩きましょう
足の大きさや形に合う靴を履いて、正しい姿勢で歩くように心がけましょう。親指をしっかり使って地面を蹴り上げることで、巻き爪しにくくなります。浮き指がある人は、インソートなどで調節して、指が地面に着くようにしてください。
爪のトラブルには、病気のサインが隠れていることもありますので、なかなか解消できない痛みや気になる症状がある場合は、ヨクミルで日本人医師に相談してください。