
子育てをしていると、こんなふうに感じたことはありませんか?
「うちの子、何度言っても同じことを繰り返す」
「叱ってばかりで、こっちがつらい……」
「ほかの子と比べて、自分を責めてしまう」
毎日一生懸命向き合っているのに、うまくいかないと感じる。そんな戸惑いや不安は、多くの親御さんが経験しています。もしかしたら“子どもとの向き合い方”をちょっと変えてみるだけで、毎日がぐっとラクになるかもしれません。今回は、発達心理学や行動療法に基づく、科学的な子育ての視点を医師が解説します。
子どもの行動には「理由」があるとしたら?
たとえば、「片づけをしない」「すぐに癇癪を起こす」といった行動。親としては困ってしまいますが、その背景に発達段階特有の反応や環境への対応の難しさが隠れている場合があります。「どうしてそんなことするの?」と責めるよりも、「この子は何を伝えたいんだろう?」と少しだけ視点を変えてみる。この行動の背景を読み解く視点こそが、行動科学に基づく子育ての第一歩です。
「完璧な子育て」より「少しラクになる考え方」
最近では、親子関係を良好に保ちつつ、子どもの望ましい行動を促すプログラムとして、ペアレントトレーニング(略してPT)が注目されています。これは、アメリカの心理学者らによって開発された行動理論に基づく介入法で、日本でも厚生労働省が推奨し、全国の自治体や医療機関で導入が進んでいます。PTでは、次のようなアプローチを学びます。
叱るよりも「できたことをほめる」
→「ちゃんと靴そろえたね!」と、些細なことにも気づいて声をかけてみる。
「やめなさい」よりも「どうしてほしいか」を伝える
→「おもちゃを投げないで!」ではなく、「優しく置いてくれると嬉しいな」と伝えてみる。
困った行動は“わざと”じゃないかもしれない
→子どもも、自分でどうしたらいいかわからず、行動で表現していることがあります。
叱る・怒る前に、“子どもの行動をどう理解し、どう導いていくか”を親が学ぶという視点が特徴で、「もっとちゃんとしなきゃ」ではなく、「もう少しラクに子育てができるように」という視点で作られた、科学的な方法です。こうした視点を少し持つだけで、「叱る」よりも「笑顔で関わる」時間が増えたという声が多く聞かれます。
「私が悪いのかも」と思わなくて大丈夫
子育てに正解はありません。「うちの子だけ違うのかな」「私がちゃんとできていないのかな」と不安になることもあるでしょう。でも、大丈夫。あなたのその悩みは、ちゃんと子育てに向き合っている証拠です。「困った行動」はお子様からのサインなら、「悩んでいる自分」もまた、支援を必要としているサインです。
子育ては、孤独になりがちです。周りに親しい人がいない海外生活だとなおさらです。もし、「ちょっと話を聞いてほしいな」と思ったら、ヨクミルで相談してみませんか?子育てに理解のある医師が、あなたの不安や疑問に寄り添い、科学的な視点からアドバイスします。必要なのは、ほんの少しの勇気と自分自身への思いやりです。あなたの子育てが、今より少しやさしく、あたたかくなりますように応援しています。
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