欧米などは日本よりも歯並びに気を遣う人が多く、先進国ではほとんどの人が子どものうちに歯科矯正をしています。日本国内においても、最近は大人になってから矯正をする人が増えているということを耳にします。また、海外では歯科治療が割高な場合が多いですが、矯正に関しては保険が適用されたり国によって無料だったり、日本より割安になる場合もあります。そこで今回は、大人の歯並び矯正について探ってみました。
「歯並び矯正は子どもが行うもの」というイメージを持つ方も多いと思いますが、日本国内でも2020年の調査データによると、2017年と比べて、30代前半で歯科矯正を行う人は2.4倍に増加しています(※厚生労働省|患者調査)。子どもの時の方が、歯が動かしやすいので良いと言われますが、歯と歯茎が健康であれば、いくつになっても矯正を行うことができます。
歯科矯正で肩こり・頭痛が改善されることも
大人の方が歯科矯正を行うと、以下のようなメリットがあります。
①見た目の改善
歯並びが整うことで、笑顔に自信を持てたり、口元のコンプレックスを解消したりすることができます。
②噛み合わせと身体的な不調の改善
噛み合わせが悪いと、顎関節や咬筋(こうきん:噛む時に使う筋肉)に余計な負担がかかり、顎関節症、肩こり、頭痛などを発症することがあります。さらに、うまく咀嚼できないことで、胃に負担がかかることもあります。噛み合わせを改善することで、それらの不調の改善が期待できます。
③歯と歯茎の健康維持
歯並びが悪いと磨きにくいところがあるため、普段のケアで歯垢や食べかすが残りやすく、虫歯や歯周病のリスクが高くなります。歯並びを矯正することで、口腔内の健康を維持しやすくなり、虫歯、歯周病、口臭などの予防につながります。
大人の歯科矯正のデメリット
大人の歯科矯正のデメリットは、2〜3年と治療期間が長いこと、痛みや違和感がある、国によっては費用が高いなどがあります。また、子どもの頃の矯正は歯を抜くことはないですが、大人の方が矯正をする場合は、歯を動かすスペースを作るために歯を抜く確率が高くなります。
歯科矯正方法とそのメリット・デメリット
主な矯正方法と、そのメリット、デメリットを紹介しますので、参考にしてください。
矯正方法 | 特徴 | メリット | デメリット |
表側矯正(ワイヤー矯正) | 歯の表面に装置を直接取り付ける。 | 歯を動かす(矯正する)スピードが比較的早い。適応症例が多い。 | 装置が目立ちやすい(透明の合成樹脂やセラミックなどもある)。痛みや不快感を感じやすい。 |
裏側矯正(ワイヤー矯正) | 歯の裏側に装置を取り付ける。 | 目立ちにくい。歯を動かすスピードが比較的早い。適応症例が多い。 | 痛みや不快感、喋りづらさを感じやすい。口腔ケアや食事がしづらい。対応している医療機関が少ない。 |
マウスピース | カスタムメイドの透明のマウスピースを装着する。一定期間ごとに交換して歯を動かす。 | 目立たない。痛みや違和感が少ない。取り外せるので、口腔ケアがしやすい。 | 1日20時間の装着が必要。歯の状態によっては適用できない場合がある。 |
国や医療機関によって、歯科矯正の知識や技術レベルに差があるので、事前に評判を調べてから治療をされることをオススメします。また、矯正の途中で帰国した場合、日本の歯科医では継続できず、もう一度費用が発生する場合があります。そのため、矯正を始めるときに、その国の滞在期間内に終えられるのか、始めどきにご注意ください。
気になる症状や、お子さまから大人の方の歯科矯正などで悩みや不明な点があったら、ヨクミルでご相談ください。
監修者プロフィール
スペイン在住。出産したときに、スペイン語+専門用語でのコミュニケーションが難しかった経験から、日本人医師に相談できるヨクミルに魅力を感じ相談医師に登録しました。すぐに治療した方がいいのか、現地で提案された治療法が適切なのか、歯並びのことなど、歯に関する悩みは何でも気軽に相談してください。
著者プロフィール
文具メーカーでプロダクトマネージャーを担当後、システム開発販売会社で販売促進やイベント企画を経験。その後、フリーのプランナー・コピーライターとして、商品企画と販売促進全般、店舗、経営者、政治家、医者などの取材、ライティングを数多く手がける。2021年より、YOKUMIRU株式会社のブランディングマネージャーに就任。医療、健康、美容、飲食系のライティングを得意としている。