目次
韓国ってどんなところ？
韓国（大韓民国）は、日本から約2時間半〜3時間という近距離にあり、地理的にも文化的にも非常に身近な国です。観光、ショッピング、グルメ、美容目的などで、毎年多くの日本人が訪れており、日本人にとって最も身近な海外渡航先のひとつといえます。
首都ソウルや釜山などの都市部はインフラが非常に発達しており、交通・通信・宿泊・飲食など、旅行者向けの環境が充実しています。そのため、海外初心者にも比較的安心して滞在できる国として高い人気があります。
最新の公的統計・国際データによると、韓国に在留・居住している日本人は約6万5,000人（2024〜2025年時点）とされており、特にソウル首都圏には日本人の居住者・長期滞在者が集中しています。近年では、企業進出、留学、美容関連滞在などを目的に、長期間滞在するケースも増加傾向にあります。
韓国の医療レベル、医療制度は？
医療機関の医療レベル
Health Care Index by Country 2020 の調査によると、韓国の医療水準は世界93か国中2位と評価されており、非常に高い水準にあります。医師や看護師の教育水準も高く、外国人患者の受け入れ実績を持つ医療機関が数多く存在します。
都市部を中心に、英語対応窓口や外国人向け診療センターを設置する病院も増えており、一部では日本語対応が可能なケースもあります。言語面での不安があっても、比較的安心して受診できる環境が整いつつあります。
出典：Health Care Index by Country 2020
韓国の医療保険制度と医療費負担の仕組み
韓国にも日本と同様に公的医療保険制度がありますが、短期旅行者や観光客は原則として加入対象外となります。そのため、旅行や短期滞在中に医療を受ける場合、医療費は基本的に全額自己負担となります。
このため、日本から韓国へ渡航する方は、
- 海外旅行保険
- 民間医療保険
への加入が実質的に必須といえます。特に、入院や手術、医療搬送を必要とするような重症時への備えとして非常に重要です。
一方で、留学・就労・駐在などで6か月以上の長期滞在をする場合は、公的医療保険への加入が認められ、保険を利用して医療サービスを受けることが可能となります。
公的医療保険が利用できる主なケース
韓国の国民健康保険制度（NHI：National Health Insurance）は、一定条件を満たす外国人も加入・利用できます。日本人の場合、「旅行者」ではなく長期滞在の生活者として認められた場合、以下のケースで加入対象となります。
6か月以上の長期滞在者
韓国で就労している場合
留学生
永住・移住をした場合
上記に該当する場合、多くは原則として国民健康保険への加入が義務付けられます。
実際にあった韓国の事故例と支払い保険金
韓国の医療費については保険会社の実例でイメージすることができます。
（出典 SBI損保 韓国・台湾旅行での高額医療費事例と海外旅行保険)
| 事故内容 | 支払保険金（目安） |
| ホテルの浴槽で転倒し受診。大腿骨頚部骨折と診断され、19日間入院・手術。家族が駆けつける。看護師が付き添い医療搬送。 | 470万円 |
| 空港で人とぶつかり受診。大腿骨頚部骨折と診断され9日間入院・手術。家族が駆けつける。看護師が付き添い医療搬送。 | 447万円 |
| 吐き気と嘔吐のため受診。急性すい炎と診断され11日間入院。家族が駆けつける。医師・看護師が付き添い医療搬送。 | 353万円 |
| 雪道で足を滑らせ転倒し救急車で搬送。大腿骨頚部骨折と診断され10日間入院・手術。看護師が付き添い医療搬送。 | 449万円 |
| 体調不良を訴え救急車で搬送。腸閉塞と診断され13日間入院・手術。家族が駆けつける。医師・看護師が付き添いチャーター機で医療搬送。 | 306万円 |
👉 短期滞在中の治療費は数百万円単位になるケースも珍しくありません。
韓国（ソウル中心）の医療機関
医療サービスを受ける際のポイント
- 言語対応
- 英語対応・通訳対応の医療機関は増えていますが、すべての病院に日本語対応があるわけではありません。事前に「日本語または英語での診療対応が可能か」を確認しておきましょう。
- 予約方法
- 私立病院・総合病院では、オンライン予約や電話予約が可能な場合が多いです。緊急性がない場合は、事前予約をしておくとスムーズです。専門診療の場合、医師のスケジュールにより待ち時間が発生することもあります。
- 支払い方法・保険利用
現金
クレジットカード
海外旅行保険のキャッシュレス診療
が利用できます。短期旅行者は自費診療となるため、保険利用可否の確認は必須です。
- 緊急時の対応
都市部には24時間対応の救急病院がありますが、夜間・休日は通訳手配や追加料金が発生する場合があります。緊急時の受診先を事前に確認しておきましょう。
韓国の医療機関リスト
（出典：外務省「海外渡航・滞在 世界の医療事情 韓国」など）
| 病院 | 所在地 | 連絡先 | 特徴・対応状況 |
| ソウル大学病院 (SNUH) | １０１ Daehak-ro, Jongno District, Seoul, 韓国 | 電話：+82 1588-5700 | 韓国を代表する国立大学病院。先進医療・専門医療を幅広く提供。外国人診療実績あり。 |
| セジョン病院 (Sejong Hospital / セジョン病院) | 20, Gyeyangmunhwa-ro, Gyeyang-gu, Incheon | 電話：+82-32-240-8000 | 循環器分野に強みを持つ総合病院。外国人患者の受け入れ実績あり。 |
| 国際医療センター（National Medical Center） | ２４５ Eulji-ro, Jung District, Seoul, 韓国 | 電話：02-2260-7114 | 外国人向け診療窓口あり。英語・日本語対応可の場合あり。 |
韓国で入手可能な市販薬
韓国の薬局では、処方箋なしで下記の市販薬を購入できます。症状が軽度な場合は、市販薬での対処が一般的です。
| 用途 | 薬の名前 | 主成分 |
| 総合風邪薬 | 판콜A（パンコールA） | アセトアミノフェン、クロルフェニラミン、デキストロメトルファン、カフェイン |
| シロップ型風邪薬 | 콜대원 파워시럽 | アセトアミノフェン、抗ヒスタミン薬、去痰成分 |
| 解熱・鎮痛 | 타이레놀 | アセトアミノフェン |
| 咳止めシロップ | 코푸시럽 | デキストロメトルファン、グアイフェネシン |
| 胃痛・胸やけ | 겔포스 | 水酸化アルミニウム、マグネシウム化合物 |
| 下痢止め | 정로환（ジョンロファン） | 木クレオソート |
| 下痢止め | 로페라마이드 | ロペラミド塩酸塩 |
| 酔い止め | 멀미약 | ジメンヒドリナート |
| 総合アレルギー対策 | 알러샷 | 抗ヒスタミン成分配合 |
| アレルギー | 지르텍 | セチリジン塩酸塩 |
| 湿布 | 파스 | インドメタシン、メントール等 |
外務省.“大韓民国（Republic of Korea）基礎データ”. 外務省.
https://www.mofa.go.jp/mofaj/area/korea/data.html, (2025/12/10)
もしも韓国で病気になったら
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もしも韓国にいて病気になってしまった場合、すぐに現地医療機関で受診してもらえれば良いのですが、これまで述べたとおり、日本とは随分異なります。海外医療のシステムや医療レベル、薬や言語などを理解してサービスを受けるには時間と負荷がかかります。
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