初めての海外は不安がいっぱい…?!カナダ生活のはじめ方

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カナダで暮らすための気候や地域性などの基本情報から医療事情、病気や怪我したときの注意事項などを紹介しています。

カナダの基本情報

極寒の冬以外は過ごしやすい?カナダの生活環境

カナダの面積は998.5万平方キロメートルで、ロシアに次ぐ世界第2位(日本の約27倍)の広さです。人口は約3,789万人(2020年1月カナダ統計局推計)で増加傾向にあります。在留日本人の人数は70,937人(2020年10月1日現在 外務省統計資料)です。
主要都市はオタワ、バンクーバー、カルガリー、トロント、モントリオールです。
首都のオタワは北緯45度23分に位置し、北海道の稚内市の北に相当します。夏は短く冬の寒さは厳しいですが、四季があり湿度が低いため冬以外は過ごしやすい気候です。最近の冬は日本国内でもカナダグースのダウンをよく目にしますが、冬のカナダにはぴったりなのも納得です。
カナダでの公用語は英語とフランス語です。米国と密接なので英語は予想通りですが、全人口の2割がフランス語を公用語としているのは意外ではないでしょうか。理由は過去の植民地時代の影響です。
宗教については、国民の3分の2以上(67.3%)がキリスト教徒(国民の約39%がローマ・カトリック)、約2割(23.9%)が無宗教(2011年カナダ統計局)です。

カナダ経済は米国経済及び油価に大きな影響を受けます。新型コロナの影響により2020年前半はGDP成長率が大きく減少(第1四半期はマイナス2.1%、第2四半期はマイナス11.5%)しました。その後、政府による給付金、賃金補助、資金繰り支援等多岐にわたる新型コロナ対策が行われ、同年後半は緩やかな回復基調がみられました。

[参考]Data Commonsプレイス エクスプローラ 

カナダの医療事情

公的負担100%?!カナダの国民皆保険制度

カナダの医療は国民皆保険制度を採用しており、原則として患者の自己負担はなく、全てを税財源で公的に負担しています。
移民、留学生(ワーキングホリデイ含む)等の加入条件は州によって異なり、加入まであるいは加入できない場合の医療費は有料になります。
歯科診療、処方薬剤(入院中は無料)、リハビリ治療等は全額個人負担となります。高額な医療費請求に備えて、渡航前には旅行傷害保険に加入しておくことをお勧めします。

医療問題が深刻!?アクセスの悪さと長い待ち時間に注意!

カナダの医療事情で最大の問題点は、医療機関へのアクセスの悪さと待ち時間の長さにあります。一般に医療機関を利用するにはまず地域の家庭医を受診する必要があります。しかし家庭医は実数が少ない上に予約制で1日の診察人数を制限している場合が多く、新規の患者を受け付けていない場合が少なくありません。家庭医を持てた場合でも予約が1~2週間後ということもあります。また、専門医は実数が制限されている上、家庭医の紹介なくしては受診できないシステムになっているため、悪性度や緊急度が高くない限り数週から数ヶ月先にしか予約がとれない状況です。さらにCTやMRIなどの高額医療検査機器の数が日本に比べて極端に少なく、検査の待ち時間も数週から数ヶ月先という状況が常態化しています。

家庭医を持っていない患者さんが受診できるのは、ウォークインクリニック(注:ショッピングモールや街中にある簡易診療施設)ですが、常に混雑しておりオタワ市内の場合数時間待ちが平均です。また、ウォークインクリニックには、レントゲン検査機器、血液検査機器等日本の診療施設では基本的な設備を設置していないところがほとんどです。

ウォークインクリニックの時間外や週末及び重症の場合は、総合病院(公立)の救急外来(Emergency Room : ER)を受診することになりますが、ここも症状によってはさらに待ち時間が長くなる状況です。ERにおいては、患者のトリアージ(ふるい分け)がトレーニングされた看護師によって行われています。命に関わる疾患については早めに治療が開始されますが、緊急性が無いと判断された疾患については後回しにするというシステムが徹底されています。

このような弊害を少なくするため、民間医療機関(プライベートクリニック、検査機関等)が一部の州で解禁されています。カナダの国民保険を有しない人々や待ち時間を短縮したい富裕層にとって、民間医療機関は高額ではあるもののその利便性の高さから利用者が増えています。こうした施設では自己負担での医療が制限付きで(入院設備は伴わない等)行われていますが、施設数が限られているのが現状です。

 

冬の寒さと春夏の花粉症に注意!カナダ生活を健康に!

  1. 極寒となるカナダの冬の寒さ対策は重要です。外出する際は、帽子・耳当て・マフラー等を着用し可能な限り皮膚の露出を防いでください。転倒防止機能のある靴底のブーツを着用し歩行に注意しましょう。車の場合、冬用タイヤを着用していても横滑りを起こして事故につながるケースが後を絶ちませんので、車間距離を十分にとって安全運転を心がけましょう。車に乗る際には薄着になりがちですので、車内には必ず毛布などの防寒具を装備してもしもの場合に備えましょう。冬季は空気の乾燥が著しく鼻咽頭を痛めがちになりますので、室内では加湿器を使用しましょう。
  2. 春先から夏にかけては、花粉症が発生します。世界の森林面積の10%がカナダに国内にあるので、花粉を撒き散らす植物の種類も量も多いです。ハンノキ、ヒノキ、ヘーゼルナッツなどの花粉症が多いようです。抗アレルギー薬の服用などの対策が必要になります。
  3. 夏は紫外線対策が必要です。帽子やサングラスを着用し、日焼け止めを使用しましょう。屋外に出る際は蚊・ダニ・ノミなどに刺されないように、十分な虫除け対策を行いましょう。

カナダで要注意の病気とは!?

  1. ツタウルシ(Poison Ivy)
    北アメリカの東部から中部に広く分布しています。明るい森林や灌木帯、荒れ地などに生え、公園や家の裏庭にも見られます。他の樹木などに気根を出して這い登り高さは15メートルほどになります。樹液はかぶれ成分を含みますので、近づかないようにするのが賢明です。直接接触したり、その毒がついた道具などを触ったりした場合にひどいかゆみと発疹、水泡などの皮膚炎をおこします。接触したらすぐ水で洗い流してください。薬局で塗り薬が購入できますが、症状がひどいときは病院に行くことをお勧めします。ハイキングや庭仕事をするときは、なるべく肌を露出しないような服装をお勧めします。
  2. 狂犬病(Rabies)
    コウモリ、タヌキ、キツネなどの野生の哺乳類と接触することにより感染するウイルス疾患です。一般的な潜伏期間は1~2ヶ月で、発熱・頭痛・感冒症状などで始まり脳炎を引き起こします。発症後の致死率が100%の疾患です。仕事上あるいは冒険家など野生の動物に接触する可能性がある場合は、渡航前の狂犬病ワクチン接種をご検討ください。
  3. ハンタウイルス肺症候群(Hantavirus pulmonary syndrome)
    アルバータ州を中心とした西部地域で発生しています。シカ(ディア)マウスが媒介するウイルス疾患です。発熱・両側性間質性肺炎を起こし、潜伏期間は1~5週間です。上記マウスやネズミの乾燥した糞・尿・唾液を吸い込むことにより感染しますので、それらとの接触を避けることが予防となります。
  4. ウエストナイル熱(West Nile fever)
    イエ蚊が媒介し発熱・脳炎を起こすウイルス性疾患です。潜伏期間は3~15日で多くは不顕性感染(感染しても無症状)ですが、発症した場合には発熱・頭痛・背部痛・皮疹などが生じ、1週間程度で回復します。重症化した場合には高熱・昏睡・震え・筋力低下などの脳炎症状が出現します。治療法はなくワクチンもありませんので蚊に刺されないように注意することが必要です。30~50%のDEETか、7%か15%のPicardin含有の昆虫忌避剤を塗布する等して予防を行ってください。ノミやダニのいる地域に行く場合には、長袖のシャツを着て、長ズボンの裾は靴の中に入れブーツを着用して皮膚の露出を避けましょう
  5. ライム病(Lyme disease)
    野山に生息するマダニが媒介する細菌(スピロヘーター)感染症です。症状としては、数日から数週間の潜伏期の後、発熱・筋肉痛・関節痛・遊走性紅斑と呼ばれる湿疹・神経症状などが起こります。重症化すると神経症状が長引くことがあります。抗菌剤で治療可能ですが、ダニに刺されないよう野山に出る場合には、30~50%のDEETか、7%か15%のPicardin含有の昆虫忌避剤を塗布して予防を行ってください。
  6. アタマジラミ(Head lice)
    秋から初冬にかけ、幼稚園や小中学校でシラミ(特に頭)が発生しやすくなります。学校によっては、「Head lice guidelines for school」というお知らせを出すところがあり、シラミが見つかった場合、治療をしてシラミがいなくなるまで学校を休ませなければなりません。子供には、帽子や櫛などを共有しないよう注意を促す必要があります。

[参考] 外務省「世界の医療事情」> カナダ > 病気になった場合

 

 

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