【医師監修】大人も涙を流そう!泣くことは最良のストレス解放法

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ストレス解消など涙の効果に注目!

あなたはいつ涙を流しましたか?悲しいとき、嬉しいとき、悔しいとき、感動したときなど、ポロリと落ちる「涙」。最近では、ストレスを解消するために涙を流す「涙活(るいかつ)」という言葉があるくらい、涙を流すことによる効果が注目を集めています。今回は、涙の効果について探ってみました。
涙には3種類ある?!
私たちは悲しい、辛いなどの感情以外にも、いくつかの理由で涙を流しています。涙は、次の3種類に分類されます。
役割主な成分
基礎分泌の涙角膜を潤った状態に保ち、乾燥や細菌などから目を保護する役割の涙。目を健やかに保ち、保護し潤滑にする。油分、水分、粘液で構成されている。
反射性の涙虫やホコリ、煙など、目の中に何かが入ったときに、洗い流すために分泌される。また、冷たい空気にさらされると、角膜の知覚神経が感知して涙が分泌され、目の温度が一定に保つ。ほとんどが水分だが、目の表面の傷を修復する成分が含まれていて、障害の回復を手助けする
感情的な涙悲しいとき、嬉しいとき、悔しいとき、感動したときなど、感情が昂ったときに流れる涙。ストレスによってつくられた、体にとって余計な物質を排出するため、気分がスッキリすると注目されている。反射性の涙に似ていて、ほとんどが水分でできているが、副腎皮質刺激ホルモンが高濃度で含まれている。

 

涙は心の安全弁として働いている

嬉しいときも悲しいときも、気持ちの高揚を落ち着けようとする体の自然な反応が、泣くという行為です。泣くことは、心身共にメリットが多くあり、実はヒトの涙だけが持つ不思議な能力なのです。
「感情的な涙」は、脳の特定の場所が鋭く反応して、興奮と沈静化という急激なスイッチの切り替えによって、私たちの心を守る「安全弁」として機能しているのです。感情的な瞬間の涙は、感情の高まりや喜び、感謝の表現としての役割を果たしています。その効果は、大きく分けると以下の7点があります。

 

1.「泣いた後はスッキリ!」心のデトックス効果

ストレスや圧力から解放されるために、涙を流すことは効果的です。慢性的なストレスは、心臓発作のリスクを高めることや脳に損傷を与え、消化器官の漬瘍、緊張的頭痛、偏頭痛などの疾病に繋がるといわれています。涙には、コルチゾールと呼ばれるストレス成分を低下させる作用のある成分が含まれています。コルチゾールは、別名ストレスホルモンと呼ばれていて、心身の健康に悪影響を及ぼします。
そのため泣くことは、ストレスホルモンを体外に排出するデトックス効果があり、身体的・精神的な緊張を和らげる働きをします。泣いたあとになぜか気持ちがスッキリしたと感じるのはこのためです。

 

2.副交感神経が優位になるリラックス効果

リラックスした状態とは、副交感神経が優位な状態にあることを指します。副交感神経は「休息の神経」とも呼ばれ、活性化すると血管を広げ脳の血流がよくなるため、身体がリラックスした状態になります。通常は交感神経と副交感神経のバランスが反転するのに10分以上かかりますが、泣いた時は10数秒で反転するという研究結果もあります。涙を流すことで、副交感神経が働いて一瞬にしてリラックスできる効果があるのです。その効果は、感情的な涙を1回流すことで1週間持続するといわれています。

 

3.イライラや不安の原因になるマンガンの低減

マンガンは玄米やナッツなどに多く含まれるミネラルの一種で、骨を作ったり代謝や消費をサポートしたりする重要な成分です。しかし、必要とされるのは微量なので、摂りすぎて体内のマンガンのレベルが上昇すると、イライラや不安を招く原因になることも。一定量を超えて蓄積すると、うつ病になるリスクが増えるといわれています。マンガンは涙に含まれているので、泣くことで余計なマンガンを体の外へ排出することができます。

 

4.脳の疲れを癒し睡眠の質を向上につながる

思いっきり泣いた後に、疲労感を感じていつもより寝つきが良いとか、熟睡感を感じる経験をしたことのある人も多いのではないでしょうか。その疲労感はスッキリとしていて、心地良いと感じられます。2.で解説したように、涙を流すことで副交感神経が優位になり、不安や緊張が緩和されます。さらに、何かに感動や共感したときの涙は、別名愛情ホルモン、幸せホルモンと呼ばれる「オキシトシン」が分泌されます。脳の疲れを癒して心を安定させ、結果として睡眠の質の向上につながると考えられています。

 

5.体と心の痛みを緩和する鎮静効果

涙のなかには、苦痛を和らげるエンドルフィンというホルモンも含まれています。エンドルフィンは、脳内麻薬とも呼ばれ多幸感をもたらし、モルヒネより大きい鎮痛・鎮静作用があるといわれています。痛いときに涙を流すということは、人体の仕組みとしても理にかなっているといえます。
また、涙は心の傷を癒し、感情的な安定をもたらす役割も果たしています。涙を流すことで悲しみや喪失感、心の痛みを吐き出し、心の緊張が緩和され平穏を取り戻すことができます。涙を通じて自己調整機能が働き、心のバランスを回復させる効果があるとされています。

 

6. 心身を強化して免疫力が上がる!

泣くことによって、免疫力を左右するリンパ球が活性化し、身体の中から病気の原因となるウイルスを撃退してくれます。また、同時に体表面を守る免疫物質IgA(Immunoglobulin A;免疫グロブリンA)の活動も高まり、目や口などから侵入するウイルスをブロックし、感染症にかかりにくくなると言われています。つまり、泣くことによって身体が内と外から強化され、様々な病気の予防に繋がるのです。

 

7.絆の形成

オンラインの時代に、コミュニケーションを深めるための鍵は「共感力」にあります。涙は人々を結びつける力を持っています。感動の涙は私たちを感情的に結びつけ、喜びや共感を共有する絆を形成する役割も果たしています。自分自身の脆さや感情を他者に開示することや、共感や思いやりを示すために涙を流すことで、他者との絆を深めることができ、相互の信頼関係を築くことができるのです。
意外と多い「涙」の効果。感動する映画などを観て、思いっきり泣いてみませんか?翌日からスッキリと仕事や家事などができると思います。
泣いてもスッキリしない、訳もなく涙が出る、毎日の生活が辛いという方は、ヨクミルでメンタルの専門医に相談しましょう。
<参考文献>
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監修者プロフィール
相談科:
  • 耳鼻咽喉科
専門領域:
  • 耳鼻咽喉科
野田のだ 一郎いちろう先生
耳鼻咽喉科専門医。 福井医科大学(現福井大学医学部)卒業。 海外に赴任した患者さんから海外医療に関する不安を多数聞いて、「インターネット上で相談することで、不安を解消できるのではないか」と思いつき、YOKUMIRUシステムを共同開発した。自身も留学経験があるため、海外在住邦人の不安に寄り添い、親身になって相談に乗ってくれると定評がある。
著者アイコン 著者プロフィール
中野なかの 紗瑛さえ
文具メーカーでプロダクトマネージャーを担当後、システム開発販売会社で販売促進やイベント企画を経験。その後、フリーのプランナー・コピーライターとして、商品企画と販売促進全般、店舗、経営者、政治家、医者などの取材、ライティングを数多く手がける。2021年より、YOKUMIRU株式会社のブランディングマネージャーに就任。医療、健康、美容、飲食系のライティングを得意としている。
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