【専門医監修】慢性化しないよう早めにケア!湿疹の解消法と予防法

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乾燥して肌がカサカサしてかゆい・・・という人も多いと思います。もともと皮膚には、外界からの刺激物質などを遮断して侵入を防ぐバリア機能があり、それが破られると皮膚免疫が働いて炎症を起こし、外来物を排除します。この防御反応が、「湿疹」という形であらわれます。手足や身体など広い範囲に発生して、かゆみで眠れないなど、生活に影響が出る場合もあります。今回は、皮膚科の先生に、湿疹の原因とケア方法などを解説してもらいました。

主な湿疹の種類とその原因

皮膚の表面に起きる炎症を、「湿疹」または「皮膚炎」と呼びます。かゆみ、赤み、腫れ、水疱(水ぶくれ)やブツブツができたり、ジグジグしてかさぶたになったりして、鱗屑(粉が吹いたような状態)が生じたりします。かゆみの主な症状と原因を紹介します。

 手湿疹

皮脂が失われることで手にできる湿疹で、皮膚がカサカサしてひび割れる「乾燥型」と、小さなブツブツ、水ぶくれができる「湿潤型」に分類されます。水や洗剤をよく使う主婦や美容師などに多い湿疹ですが、ウイルス感染症予防のために手洗いやアルコール消毒をすることが多くなり、発症する人が増えています。

 アトピー性皮膚炎

かゆみを伴う湿疹が出たり、治ったりを繰り返す疾患です。小児期だけでなく、成人以降の20〜60代に発症する人も少なくありません。アトピー性皮膚炎については下記に詳しく解説していますので、参考にしてください。
詳しくはこちら

 脂漏性(しろうせい)皮膚炎

頭皮や顔面、髪の生え際、耳の周囲、小鼻の脇など、皮脂腺の数が多い皮膚の部分に慢性の炎症が起き、脂ぎった黄色い鱗屑やフケが生じる病気です。乳児(通常は生後3カ月)と30~70歳の成人の人に多く発症します。原因は不明ですが皮脂のバランスが崩れ、皮膚に常在しているマラセチアという微生物が増殖することで炎症が起きると考えられています。

 かぶれ

正式には「接触性皮膚炎」と呼ばれ、湿疹の中でも外部からの刺激によることがはっきりしている場合をいいます。紫外線、合成洗剤、石鹸、うるしやマンゴー、金属のアクセサリーや化粧品、ヘアケア製品などのアレルギー源となる物質に触れることで、肌が赤くなりブツブツができたり、かゆみやほてりを感じたりします。ひどい時は腫れ上がり、水ぶくれになることもあります。

 皮脂欠乏性湿疹

カサカサとした乾燥した肌で高齢者にあらわれやすく、日本では特に空気が乾燥する冬に悪化しやすい湿疹です。もともと皮脂の少ない、ひざから足首にかけてよく見られますが、全身に起こりうるものです。皮脂や汗の分泌が減少し乾燥状態なると、バリア機能が低下し、外的刺激などの要因が加わることで、湿疹化したものです。

 じんましん

食べ物や薬、寒冷や温暖などの物理的刺激や、疲労やストレスなどが原因で、大小様々な大きさの柔らかく盛り上がった皮疹(膨疹・ぼうしん)が広範囲に広がり、強いかゆみを感じます。原因がわからないことも多く、ほとんどの場合は数分から数時間で消えます

今すぐ何とかしたい!かゆみの解消法

かけば一時的にかゆみが治まりますが、皮膚が傷つくことでさらにかゆみが起こったり、2次的に細菌感染を起こしたりすることもあります。かゆみ強いときは冷やすと楽になるので、冷たいおしぼりやタオルに包んだ保冷剤などを当てましょう。軽症であれば、市販の塗り薬などでケアすることも可能です。湿疹は、長引くと慢性化して治りが悪くなる可能性があります。そのため、症状があらわれたら早めに対策することが大切です。

かゆみを繰り返さない予防法は?

かゆみは、繰り返し刺激を受ける場所に起きやすいものです。衣服やネックレスでこすれたりする「首」、水や洗剤に触れる「手」、服の圧迫やムレがある「お腹」、マスクでこすれやムレがある「顔」などです。原因が思い当たる場合は、それを避けることが有効です。手湿疹の場合は、洗い物のときに手袋をすると良いでしょう。
皮膚についた汚れや汗を放置すると、皮膚に刺激を与え、湿疹を引き起こすことがありますので、清潔に保つようにしましょう。ただし、洗いすぎやこすり洗いは、肌のバリア機能を壊してしまうので、優しく洗ってワセリンなどの軟膏状のものや、クリームなどで保湿をしてください。長湯は皮脂を奪い乾燥肌にさせるので、高温での長湯は避けるようにしましょう。
また、皮膚に発疹などの変化がないのに、慢性腎臓病や糖尿病、肝臓、胆嚢、甲状腺などの病気により、かゆみが生じることがあります。気になる症状がある場合、かゆみが長引いたり繰り返したりするときは、ヨクミルで相談してください。
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監修者プロフィール
相談科:
  • 皮膚科
専門領域:
  • 皮膚科
水野みずの 京子きょうこ先生
2014年よりアメリカに移住。日本では、皮膚科全般、特にアトピー性性皮膚炎や乾癬、蕁麻疹、ニキビが専門で、赤ちゃんから老人まで幅広い診療経験を持つ。現在はホリスティック医療を学び、人が本来持っている治癒力を引き出す「ポジティヴへルス」という考え方を取り入れ、真の意味で健康になるための医療相談を行っている。皮膚のトラブル、慢性的な肌の悩みや市販薬のことなども相談できる。
著者アイコン 著者プロフィール
中野なかの 紗瑛さえ
文具メーカーでプロダクトマネージャーを担当後、システム開発販売会社で販売促進やイベント企画を経験。その後、フリーのプランナー・コピーライターとして、商品企画と販売促進全般、店舗、経営者、政治家、医者などの取材、ライティングを数多く手がける。2021年より、YOKUMIRU株式会社のブランディングマネージャーに就任。医療、健康、美容、飲食系のライティングを得意としている。
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