
海外にいるとき、日本で大きな災害が起きた――。
「家族は無事だろうか」「友人と連絡が取れない」「今すぐ帰りたいけれど帰れない」
そんな思いでニュースやSNSを何度も確認し、不安な時間を過ごしている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
2026年7月28日に発生した「令和8年熊本地震」により、多くの方が被災されました。被災された皆様に心よりお見舞い申し上げます。
遠く離れた海外にいるからこそ感じる不安や無力感は、決して特別なものではありません。
今回は、「海外在住者が故郷の災害を知ったときの心のケア」と、「海外にいる今だからこそできる支援」についてお話しします。
1. 災害直後に海外在住者が直面する反応
遠く離れた海外で故郷の災害を知ったとき、平静でいられる方はほとんどいません。ショックで、仕事や勉強が手につかなくなることもあるでしょう。
例えば、次のような反応がみられることがあります。
【こころの反応】
□ ニュースやSNSを何度も確認してしまう
□ すぐに現地へ行けないことに、もどかしさを感じる
□ 自分だけ安全な場所にいることに罪悪感を抱く
□ 「何かしなければ」「早く帰らなければ」と焦る
□ 海外の同僚には状況が伝わりにくく、孤独を感じる
□ 家族の安否が気になり、仕事や勉強に集中できない
□ 以前楽しめていたことが楽しめない
【からだの反応】
□ 食欲がない、または食べられない
□ 夜眠れない、途中で目が覚める
□ 体に力が入り、緊張が抜けない
□ 涙が自然とあふれてくる
このような反応は、大切な家族や友人を思うからこそ起こる、ごく自然な反応です。しかし、不安や緊張が長く続くと、直接被災していなくても心身の健康を損なうことがあります。
まずは、あなた自身の心と体を守ることが大切です。

2. 故郷の災害を知ったときのメンタルケア
あなた自身が健康でいることは、長期的に家族や友人を支える力にもつながります。不安な気持ちを無理に消そうとせず、次のことを意識してみましょう。
【意識してほしいこと】
① いま感じている不安や悲しみを否定しない
② 睡眠・食事・運動など、できる範囲で生活リズムを保つ
③ ニュースやSNSを見る時間を決め、心を休める時間をつくる
④情報は公的機関など信頼できる情報源を中心に確認する
⑤ 一人で抱え込まず、家族や友人、職場の方、専門家へ相談する
⑥「できないこと」ではなく、「今の自分にできること」に目を向ける
また、ご自身ではなく、部下や同僚の故郷が被災した場合には、休養や業務調整などへの配慮も大切です。
状況が少し落ち着いたら一時帰国できるよう調整するなど、周囲ができる支援もたくさんあります。まずはゆっくり話しを聞く時間をつくってあげてください。

3. 海外にいるあなたができる支援
海外にいるからこそできる支援もあります。家族や友人に正確な情報を伝えること、自分自身の生活や仕事を維持し、必要なときに支えられる状態を保つことも大切な支援です。
また、被災後に大きな課題となるのが「災害関連死」です。災害関連死とは、災害そのものではなく、避難生活による疲労や持病の悪化、生活環境の変化などが原因で亡くなることをいいます。被災後1~2週間は特に注意が必要とされています。
ご家族やご友人が医療や健康面で不安を抱えている場合は、オンライン医療相談という選択肢もあります。YOKUMIRUでは、令和8年熊本地震で被災された方を対象に、8月1日から8月14日まで無料オンライン医療相談を実施しています。
※被害状況などにより、実施期間を変更・延長する場合があります。
この取り組みは、2024年能登半島地震でも実施し、オンライン医療相談をご活用いただくことで、避難生活の不安を少しでも軽く、少しでも多くの「災害関連死」を防ぎたいという思いから始まりました。
現在、熊本地震で被災された方で、インターネットがご利用できるスマートフォンまたはパソコンがあれば、どなたでも無料でご利用いただけます。ぜひ、ご家族やご友人にも下記のリンクをお知らせください
👉 令和8年熊本地震の被災者支援 無料オンライン相談予約はこちら
被災地では医療スタッフもまた被災者の一人であり、限られた人数で重症の方を優先しながら対応しています。オンライン医療相談では、持病や体調不良、お子様の健康、服薬、不安な気持ちの相談など、幅広い内容をご相談いただけます。遠隔で相談できる環境を活用することは、ご本人だけでなく、現地の医療機関の負担軽減にもつながります。
4. さいごに
災害は、現地にいる人だけの問題ではありません。遠く離れた場所から故郷や大切な人を思い、不安を抱えている方も、心に大きな影響を受けています。あなたが心身の健康を保つことも、大切な支援の一つです。そして、遠く離れていても、できることはたくさんあります。一人で考え込まず、必要なときは周囲や専門家の力も借りながら、ご自身の心も大切にしてください。被災された皆様が、一日も早く安心した生活を取り戻されることを、心よりお祈り申し上げます。


