眼に関する症状と主な疾患名
目に関する症状
- 目の充血
- 目が充血する原因は、外部からの刺激や病気による炎症と目の酷使による疲れなどが考えられます。目の炎症は、外部からの刺激や、病気によって引き起こされます。目の充血がなかなか取れない場合は、目の病気が原因かもしれません。アレルギー性結膜炎(花粉症)や感染性結膜炎、ドライアイ、ぶどう膜炎といった病気では、炎症による充血を引き起こすことがあります。目を酷使する環境にいる場合や、目の休憩を十分にとっていないと、充血があらわれる場合があります。
- 目の疲れ(疲れ目)
- 目に負担をかけ過ぎると、目の中の細胞や筋肉が疲れてしまいます。パソコンなどのディスプレイを長時間見続けると、目の酷使のほか、画面を凝視するため、まばたきの回数が減り、目の乾いた状態となりやすく、さらに目が疲れやすくなります。このように画面を見て操作する必要のあるパソコンなどは、必要以上に目を酷使するため、VDT(Visual Display Terminal)ストレスといわれています。涙は目がスムーズに機能するために大切な働きをしていますが、涙が少なくて目が乾いている状態だと、必要以上に目に負担がかかり、疲れを引き起こすことがあります。
- 目が乾く
- 目の乾きを感じる原因には、次のようなものがあります。周りの空気が乾燥している(エアコンの使用時など)長時間のパソコン作業やテレビ鑑賞などで、まばたきの回数が減っている(※通常のまばたきの回数は1分間に15〜18回ですが、パソコンなどのディスプレイを見続けているときのまばたきの回数は7〜12回に減るといわれています)コンタクトレンズを使用している ドライアイという涙の病気
- 目のかゆみ
- 目のかゆみは結膜炎によって引き起こされる症状の1つです。結膜炎とは、外部からの刺激によって結膜が炎症を起こした状態のことです。結膜は、まぶたの裏側と白目の部分を覆っている粘膜のことです。結膜炎の原因には、アレルギー性のものと非アレルギー性のものがあります。
- 目の痛み
- 目が痛いとき、異物感があるときの原因 まぶたを押して、目に痛みを感じるときは、ものもらいの可能性があります。チクチク、ヒリヒリするといった目の痛みを感じるときには、紫外線による炎症や雪目の可能性があります。ごく小さなゴミやホコリが目に入った場合でも、痛みや異物感を感じることがあります。自分でも気付かないうちに、外部からの刺激やコンタクトレンズの不適切な装用によって、角膜に傷がついていることがあります。コンタクトレンズが自分の目に合っていない、レンズに汚れが付着している、レンズが変形しているなど、コンタクトレンズが原因で異物感を感じることがあります。
- 目がかすむ
- 十分な休息や栄養をとらないで目を酷使し続けると、目のピント調節機能が一時的に低下して、視界がかすんで見えることがあります。そのほかに、白内障、ドライアイ、緑内障、ぶどう膜炎などの病気や、老眼(加齢によるピント調節機能の低下)が原因で、視界がかすむこともあります。
- 目やにが出る
- 目も身体のほかの部分と同じように代謝をして、古くなった細胞を入れ替えています。朝起きたとき、目頭や目尻にみられる少量の目やには、正常な代謝活動でできた老廃物です。細胞による感染が原因の場合・・・黄緑色でドロっとした膿状の目やにが出ます・花粉症などのアレルギーが原因の場合・・・涙のようにサラサラした水状の目やにが出ます・ウイルスによる感染が原因の場合・・・白くネバネバと糸を引いたような目やにが出ます。
屈折異常と視力に関する症状
- 近視(Myopia)
- 近視は遠くの物がぼやけて見えにくい状態で、通常は眼軸が長いことが原因です。メガネやコンタクトレンズ、屈折矯正手術が治療法として用いられます。
- 遠視(Hyperopia)
- 遠視は近くの物がぼやけて見えにくい状態で、通常は眼軸が短いことが原因です。近視同様、メガネやコンタクトレンズ、手術が治療に使われます。
- 斜視(Strabismus)
- 斜視は目の方向が正確に揃わず、交差している状態です。視力の発達に影響を及ぼすことがあるため、早期治療が重要です。
眼表面、角膜に関する疾患
- 結膜炎(Conjunctivitis)
- 結膜炎は結膜の炎症で、通常は赤く腫れた目や目のかゆみ、充血を伴います。感染症やアレルギーが原因です。
- 乾燥症候群(Dry Eye Syndrome)
- 乾燥症候群は涙液不足により目が乾燥し、痛みや異物感、視力の劣化を引き起こします。人工涙液や特定の治療法が用いられます。
網膜と硝子体に関する疾患
- 糖尿病網膜症(Diabetic Retinopathy)
- 糖尿病患者に見られる網膜の病変で、失明のリスクが高まります。早期発見と治療が不可欠です。
- 白内障(Cataracts)
- 白内障は、水晶液が濁り視力が低下する状態です。手術により濁った水晶体を取り除き、人工レンズで置き換える治療が一般的です。
- 緑内障(Glaucoma)
- 緑内障は、「視神経と視野に特徴的変化を有し、通常、眼圧を十分に下降させることにより視神経障害を改善もしくは抑制しうる眼の機能的構造的異常を特徴とする疾患である」(日本緑内障学会ガイドライン)と定義されます。つまり緑内障は、視神経の形(乳頭形状)と機能(視野)の特徴的な変化から診断され、眼圧を下げることが進行を遅らせることが治療になります。